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辺見庸という逃避
衆議院解散があって、皆既日食に沸いて、そういうことどもとは微塵の交わりもなく私の人夫仕事の日は暮れ、その憂さを串かつを生ビールで胃袋に押し込みながら晴らし、終電間際の列車に酔い醒めの悄然とした心地で乗り込む。「あぁ、このままの毎日ではいけない」と思いながら、いつも思いながら、結局は睡眠薬の助けを借りて昏々と眠り込む以外にプライベートらしいプライベートもなく、また日が明けたら何の生産性も遣り甲斐もない賃仕事に向かわざるをえない。実験場の白いマウスになったような心境で、この生というものを振り返ってみたりもするのだけれど、マウスは所詮マウスでしかない。「ドブネズミのように美しくなりたい」とザ・ブルーハーツは歌ったが、私は薬の副作用でブクブクに膨れて、もう美しいなんてもんじゃない奇怪な姿態を世間に晒しているだけのデクノボーである。こんな毎日に火をつけるためには、今のままでは多分あまりにブンガクが不足しているのだろう。昨日寝床についてからそう思いついた。

話題になっている村上春樹の『1Q84』を買おうかと、梅雨の晴れ間の休日、近所のスーパーの3階に入っている本屋へ向かう。見事に平積みされた『1Q84』を手に取ってパラパラと頁を繰ってみるものの、あまり読みたい気が起らない。そういえば私が村上春樹を読んだのは『国境の西、太陽の東』一冊きりで、どんな話だったかもさっぱり忘れているが、それほど肌に合わなかった記憶だけがある。だから何故彼がベストセラー作家なのかということが今もわからないままである。そしてずっと筆が止まったままの私自身の拙い小説風の試みに弾みをつけるべく、評価が高く売れる作家の文章にあやかりたいという思いもあって『1Q84』を読んでみようとも思ったのだが、3600円の支出はやはり今の私には重く、書棚をグルグルと回りながら決心をつけようとするも上手くいかず。3600円くらいパチンコに負けたと思えばどうということもないのかもしれないが、生憎ギャンブルというものに寸分も素養を持ち合わせていない私には、そういう決心の仕方が身に付いていない。
書棚を回っているうちに、辺見庸という文字が目についた。まだ私が持っていない『独航記』と『美と破局』が運良くあったので、『1Q84』はやめにしてこの2冊を買うことにする。これで私は辺見庸の著作を16冊所持することになる。
辺見庸という逃避_f0051075_16441777.jpg

辺見庸を読み始めたのは、T.N.君と一緒にこの『Under the Sun』の作業をしていた時で、彼には随分いろいろな書籍や音楽を薦めて貰ったが、当時刊行されたばかりの辺見庸の『自分自身への審問』もその中の一冊だった。恥ずかしながら私はその時まで辺見庸という人を知らなかった。薦められて随分日が経ってから、本屋で気まぐれに『自分自身への審問』を手に取り、読んでみた。これはなかなか誰にでも書けるものではないな、と思い、彼の著作を本屋で見かける度に購入するようになった。
面白い文章もあれば不快になる文章もあるこの人特有の筆の運びは、万人向けのものではないかもしれない。しかし非常に大事なことを言っている。病に倒れた後はより一層切実に、人間存在の闇に焦点を当てた思索が深まり、この時代にあっては他に縋るものもない私は、つい辺見の文章に耽溺してしまう。しかしこれも、辺見の文章を読むことも、ひょっとしたら体の良い逃避でしかないのかもしれないという朧な自覚はある。多分それくらいのことは辺見も承知の事なのだと思う。「だったら、だったら私はどうやって闘えばいいんですか!」と絶叫をあげてしまいそうになる夜ばかり続く。どうにかこうにか薬で興奮を抑え込み、機械的な眠りを眠る。もうどうせなら絶望の作法を教わったほうが話が早いのかもしれない。近頃仏教にかまけている私の本心は実はそのあたりにあるのではないか。「絶望の作法を身に付ける」という意味において。

辺見は安易な希望など語らない。辺見は人生における大事なこと、沈黙すること、を知っている。辺見の命がいつまで続くのかはわからない。もちろん私の命だっていつまで続くのだかわからない。みんなが生きているのはそういう「生」だ。ナマモノなのだ。取り扱いにはやはり慎重を期すべきだ。爆弾を落として破壊していいようなモノではない。

私は辺見の良い読者ではないと思う。だが、彼の著述は歴史的にもおおいに意味があることくらいはわかっているつもりだ。これからも新しい文章を読めることを楽しみにしている。

今日のYouTubeは、京都のクラブで辺見が講演会を行った時に会場に流されたという、クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル(CCR)の『雨を見たかい?』です。日産セレナのCMソングにもなったこの曲ですが、実は痛烈な反戦歌であるということ。そういうものまで取りこんでしまう資本の強欲さというものに辟易してしまいます。芸術も消費の対象でしかなくなったこの後期資本主義経済社会において、「正義」とは一体なんなのでしょうか?

by uts_home | 2009-07-23 16:39 | コラム
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