今年の干支は寅。私は三回目の年男である。
そんな正月明け、今週から一般病院のターミナルケア病棟のケアワーカーとして働き始めた。
三日勤務して、ウンコ・シッコの世話はなんとか慣れてきた。汚いのは汚いし、臭いのも臭いが、そうはいっても出るものはしかたがない。しかし今日の社食がカレーライスであったのはちょっと閉口したが。
病棟には45人の患者さんがいる。皆さんそれぞれ今までの人生があり、現時点ではこの病棟で生活されている方である。この病棟で生を終わられる方が多数なのかもしれないが。脳梗塞を患っている患者さんが多く、認知症患者のように徘徊されたりはしないので、ある意味介護しやすいともいえるかもしれないが、やっぱり一人一人個性も症状も違うので、大変な仕事であるとは思う。
意思の疎通が図れる患者さんは本当に数えるほどで、あとは皆さん寝たきり状態である。そんな皆さんのお顔をおしぼりで拭いて差し上げるのだが、その時は何故か心が休まる。仏様の御本尊を拭いて差し上げている気になる。亡くなった私のじいちゃんやばあちゃんに、せめて一度でもこんなことをしてあげることが出来たらよかったのになぁ、と後悔しながら、縁もゆかりもない患者の顔を拭いてゆくのである。
もちろん、飯を食わせたり、便の始末したり、風呂に入れて体擦ったり、正直汚い仕事ばかりだが、今まで35年間散々悪業を重ねて来たので、この程度は罪滅ぼしとして甘んじて受け入れなくてはいけないのかなあ、と観念もしている。
この仕事を続けていくのかはまだわからない。とりあえず、一日、一日、と思ってがんばるしかない。今の私にはそれしか出来ないから。
文末になりましたが、あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。