山道を登るのはしんどいので、うどんを啜りながらかなり雑にこう考えた。
うどんは讃岐・稲庭・水沢が有名だが、私は讃岐うどんが好きである。セルフうどん屋の前を素通りできずに今日もうどんを食す。
讃岐うどんは雨に恵まれない土地柄で生まれたもの。米の代わりに小麦を作る。かと思えば山ひとつ隔てた土佐では温暖な気候と豊富な雨量を利用して二期作をしたりする。しかし米どころとは言われない。
崩れ落つ際艶妖し絹の肌 (素楽)
先月ぶらりとあまり馴染みのない雪国を訪れた。まだまだ雪が残っているが、上昇し始めた気温で溶けかけジェラード状になった滑らかな雪の表面、キラキラと太陽光が反射している。その下では田圃がゆっくりと休んでいる。
「あぁ、そうか」と思った。米どころと言われる所は豪雪地帯が多い。アクセクと二期作や二毛作で土が息つく暇なく働けるところではない。雪の下でじっくりと英気を養った土が、きれいな雪解け水が、美味い米を育てるのか、と。
政局云々でバタバタと耳目を集めやすい事象を追いかけ、したり顔で論評するばかりではどうにも美味い米が作れそうにない気がする。今何かと喧しいポスト小泉や次期民主党代表を巡る木っ端的な情報がいい苗なはずもなく、畦を作るわけでなく、草取りのわけでなく・・・。
雪に守られるように眠る土が何に該当するのかはわからないが、命を育む土を革靴でヒッチャカメッチャカに踏み荒らす状態では、美味い美味い実りの秋なんかは永久に訪れることはないんだろうなぁ、と思う。
しかし物心ついてから、天気予報より精度が悪く、ほとんど意味のない政局以外の大手メディアの報道に、あまり触れたこともないな、と思うのであった。
(文責:玄耕庵日乗)
<オマケ>
BGM:「
Won't Get Fooled Again/
The Who」 なぁんて。ちょっとブラック過ぎかw。BGM関連で
コチラの記事もおもしろかった。