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七歩の詩(2)--日替わりコラム(木曜日:発掘屋)
縄文カレンダ
こないだの週末、不意にアラ炊きを食したくなって、単車で海へ。
海岸線にはアサリやハマグリを売る小さな小屋が並び、そこでは婆ちゃんたちが、のんびりと店番をしています。
遠浅の海岸のあちらこちらでは、貝掘りの家族連れがちらほら見うけられます。
貝掘りは、江戸時代からこの時期の庶民の楽しみだったようです。




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さて、この図はみなさんも歴史の教科書などで、見たことがあるかもしれません。
縄文カレンダと云って、縄文時代と呼ばれていた、今から約13000年前から2300年ぐらい前までの、日本に住んでいた人々の1年の生活サイクルをカレンダにしたものです。
この時代は、自然の中にある動植物を食べて生活をしていました。
当然、季節によって手に入る食物は違っていました。縄文人は自然にあわせて、自分たちの生活サイクルを決めていたと考えられています。
貝塚にのこる貝の殻を観察すると、成長した大ぶりの貝ばかりで、春から夏にかけて海辺では、アサリやハマグリなどを採っていたことが考えられます。
この時期、縄文人も集中して貝掘りをしていたのです。もちろん他の季節も採っていたとは思いますが、同じ労力で効率よく貝を手に入れるのなら、この時期にかぎります。
つまり縄文人たちは効率よく食物を手に入れていた一方、獲りすぎて獲物の数が減ってしまうことを恐れて、計画的な狩猟をしていたのです。
もちろん今のボクたちのように、自然界に大規模に働きかけて、自分たちに都合のよい結果を手に入れることはできなかったこともありますが、縄文人にとって自然とは、自分たちに食物をあたえてくれる存在であると同時に、自分たちの死生をつかさどっている、そら怖ろしいものだったに違いありません。
自然にそって生きる。あたえられて生きる。これは賢さであると思います。

現代――ボクたちは本来その季節でないものをすら、温室栽培や養殖、輸入や品種改良などという方法で、容易に口にすることができます。
しかしこれらのものを、ほんの少しでも季節をゆがめてボクたちの元へ供給するためには、ものすごいエネルギが必要なのです。
食物だけではありません。
ボクたちが甘受している、快適な生活を維持するためのエネルギは、どこから生まれてくるのか?
ほとんどのヒトたちは、答えはわかっているはずです。

もちろん、明日から縄文人の生活にもどることはできません。
ボクたちは時間とともに、数多くのものを手に入れ、手離すことは不可能だからです。
しかしそれらのものは、はたして掌におさまるぐらいの大きさだったでしょうか?掌を焦がすようなものではなかったでしょうか?
たとえ手離すことはできなくても、時々は自分の掌をじっと眺めてみる時間も必要ではないでしょうか?
この時期に海で貝を採った縄文人の賢さが、ほのかな潮の匂いとともに、よみがえってくるかもしれません。
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by uts_home | 2006-04-12 19:43 | コラム
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