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「春」の思い出-抵抗の「出発点」 日替わりコラム2回目
サタデーコラムニスト「そぞろ日記」のみやう?でございます。
連載第2回目にしてすでに危機。お題の「春」「出発」と聞いて、「そんな爽やかすぎるテーマで私に書けと?」と、いきなり暗闇に隠れていたところを懐中電灯で照らされてあわてふためく台所のあの虫のようにじたばたしているわけですが、あの虫(ええ、みなさまご想像のとおりの黒いアレです)もときに人間様の顔面めがけて飛んでみたりするように、清水の舞台から飛び降りるような気持ちで爽やかなテーマに挑んでみたいと思います。

春の印象深い思い出といえば、中学2年生か3年生の頃でした。
特に目立って何かできるというわけでもなく、爽やかにお友達に囲まれていたわけでもない。むしろ、中学時代は私には人生のどん底といってもよい時代でした。幼少のみぎりより「弱い」子供であった私は、アトピー性皮膚炎に悩まされており、それがまた原因で多くの同級生にいじめられ疎外され、本と心優しい同級生たちだけが私のお友達でした。
元来人見知りなどしない大らかな性格だったのですが、ただただ、病気が原因でいじめられるとなるとだんだん捻くれてまいります。




私の実家は親の趣味で「赤旗」と「読売新聞」という両極端な新聞をとっていたので、小学生の頃から活字が大好きな私は両方の新聞を平等に(テレビ欄は読売新聞が読みやすいとの理由で読売新聞だけにしておりましたが)読んでおりました。
そう、ムダに知識だけは豊富でした。しかし、性質は大人しく毒にも薬にもならない影のような中学生だったわけです。
心優しい早熟の友人などは、小学生の頃から太宰治を読んでは「天才の恍惚と孤独」などを感じていたようですが、私はそんなものとは無縁。ただ、「言葉」に関するこだわりだけは強く持っており、ミステリーやSFやファンタジーを愛し、萩原朔太郎などの詩を愛する乱読中学生だったのです。
確か公民の授業でしたか、教科書には憲法第9条の条文がありました。当然私は憲法9条について賛否両論あることを「赤旗」と「読売新聞」という両極端な新聞を読んでいることで知っておりました。
そこでにょっきり「この先生は賛否両論あることをどう伝えるのだろうか」とアンテナを張ってわくわくしながら聞いていました。
するとどうでしょうそのへっぽこ教師(あー先生ごめんなさい当時から私は礼儀知らずな奴でした)は「戦争の放棄と戦力の不保持が決められています」とだけしか説明しないではありませんか。
ちょちょっと待ってくださいよ。私のブログを読んでいる人でご存知の方もいるかもしれませんが、私の出身地鹿屋市には「自衛隊」の基地がございまして、毎日戦闘機がぶんぶんと空を飛んでいるのであります。そこで、なんにも中学生たちに説明すらしないなんて「子供だと思って馬鹿にしている!」と柄にも無くプチ切れて、日ごろ黙って教室の隅にいた私だったのに気がついたら「先生質問!」と手を上げてしまっていました。
「じゃぁ、あれは何ですか?戦力ではないのですか?」と一言。その授業の真っ最中にも戦闘機は空を飛んでいたのです。
その瞬間まで、私はその教師を信頼していました。社会科の先生ですから知らないはずはありません。「きっと、賛否両論あることを説明するに違いない」と。
しかし、その先生は「後で職員室に来なさい」としか言わず、授業終了後職員室で「私一人」に賛否両論あることを教えたのです。憤懣やるかたない私は「それは知っています。私が聞きたいのはそのことじゃありません」とだけ言って職員室を後にしました。
それ以来私は大人の人の言うことを心の底では信頼しないとてもかわいげのない子供をやっていました。
その教師は後に「教育委員会」に行き出世したようです。事勿れ主義の人物は出世できるということも知ることができました。
そのことも世の中に対する私の捻くれたスタンスを固めることに役立ちました。先生ありがとう!おかげさまで素朴な疑問を素直にぶつけることのできる、捻くれた大人になれました。

そう、思えば春の出来事でした。高校入試に出ない、9条の知識など説明することを面倒くさがった教師の言動が、疑り深く批判的な私の人格形成そして抵抗の出発点となったのです。


思考停止と権威主義にサヨナラを。
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by uts_home | 2006-04-15 00:00 | コラム
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