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山笑う忘れて恥ずかし己の非--日替わりコラム(水曜日:玄耕庵日乗)
先週、実家に出戻った。私が寝起きするスペースがない。3人の子供の進学・就職、父の単身赴任の度に出戻ってくる荷物達が、二部屋を占拠し何処から手をつけていいかわからない。
今日、市の清掃センターと最終処分場を母と行脚しなんとか格好はついたが、まだ一部屋は塞がったまま。
昨日、今の家に転居の折に父の会社の先輩から譲り受けた子供用ベッドを解体した。私が小学1年から使い、この正月まで妹が帰省中に使っていたやつだ。パーマンやキティちゃんのシールがペタペタ貼ってある。
なんてほのぼのムードのコラムにしようかと思ったが・・・



先日、父と「Little Birds-イラク戦火の家族たち-」の上映会に行った。巷で話題になっていたのは知っていたが、やっと見ることができた。しかし今時の上映会はDVD1枚とパソコンそれにプロジェクターがあれば可能なんだから簡便だ。フィルム待つこともなし。
映画については、ジャーナリストのいい仕事を見せて貰ったという感想。いくつかの場面は報道で目にしたことのあるものだったようだ。開戦時、非常に多くのジャーナリストが現地入りしてたわけで、意欲さえあればこういうものをドンドン発信できたに違いない。しかし大手で流すことは叶わない。眠っているテープもいっぱいあるのだろう。

当時、今となっては詭弁に過ぎなかったパウエルの弁、ブッシュや小泉の演説を放送する受像機を睨みつけながら見、抗議デモで京都の街も歩いたが開戦後、新たな仕事に就き新しい環境になれるのに必死で、序々に戦況を追う時間が減っていった。また別の日常のイライラに苛まされながら、実は漫然と息をしていたに過ぎないのかもしれない。
しばらくして職場の昼休み、デスクで弁当屋さんの弁当を食い終わりポケッとしていると、上司が日経見ながら「でもなんだかんだ言っても日本はアメリカにくっついていくしかないんよな」と同意を求めるようにコッチを見た。瞬時に頭に血が上り思いっきり椅子を蹴って事務所を出た。相手する気にもならなかった。う、思い出してもちょっとムカつく。

忘れてはならないのだ。我々は人様の庭に爆弾を平気で放り込むことを、世界で一番支持する国民であることを。
忘れてはならないのだ。我々は何の罪もない何万という子供達の未来を、永遠に奪うことに加担した国民であることを。
忘れてはならないのだ。今、その姿勢をより強固なものにしようとする政権の下で日々の暮らしを送っていることを。
忘れてはならないのだ。自国他国問わず、私は人殺しであり、あなたも人殺しであることを。

恨まれる覚悟はあるか?狙われる覚悟はあるか?殺される覚悟はあるか?
覚悟もなく自堕落に怠慢に暇潰しに、人を殺し続けることをやめよ。
覚悟ありとて情けない振舞いはすまい。

上映中印象的だったのは、4人のうち3人の子供を自宅に落ちた爆弾で失った家庭での1シーン。兄弟の中でひとり生き残った女の子が学校から帰ってきてカバンを開ける。「友達のカバンと間違えちゃった!あ~、あのコのおうち分からない」。お父さんも慌ててカバンをひったくり、「なんで間違えるんだ!ちゃんと注意しなさい!今日は宿題はあるの?あったら大変だ」。戦時下でも宿題が大問題になることに微笑ましさと同時に、日常の強さ、人間の強さを感じた。

上映終了後、父が言う。「開戦数年前にイランに行った時は、日本人っていうだけで子供がサインしてくれってやってきたのに、今は憎まれてしまったな。」日露戦争に辛勝した日本は、旧ロシアにプレッシャーを受けていたあの地域の人々に受けがよかったらしい(ほんとか?)。勿論その後のビジネスでの交流も彼の地の人に好印象を与えていたのだと思う。
それが「なぜブッシュを支持するのだ!お前は裏切り者だ!」になってしまった。
失ったものはあまりに大きい。あの時ブッシュを支持して我々は何を得たか。それは国益と言えるような代物なのか。失ったものと比較して満足できるような代物なのか。人質事件でヤンヤ騒いだ人達は、そういうことを考えたことがあるのだろうか。

日々、色々な出し物があって飽きさせない国である。どこの国だってそう変わらないのかもしれない。
政治だって温泉旅行の余興程度の出し物ですら、さんざ耳目を集めるようにしてくれる。「あ~馬鹿ばっかり」とコチョコチョと気持ちよく自尊心を満たしてくれる。勧善懲悪の芝居仕立てで誰でも簡単に正義の味方になれる。
で、いつのまにか忘れてる、忘れてる、忘れてる・・・。自分がどれだけ馬鹿でマヌケで救いようがないアカンタレかということを。

もうこれからあんまりモノは増やしません(汗)。最終処分場ももういっぱいいっぱいやったし。シンプルライフでやっていこ。金もないしちょうどええわ。

JR福知山線脱線事故で亡くなられた方々のご冥福を 心よりお祈り致します

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by uts_home | 2006-04-26 00:16 | コラム
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