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七歩の詩(17)--日替わりコラム(「逍遥録-衒学城奇譚-」発掘屋)
【……このままじゃ「ハイ、それま~で~よ~」だ】

今回のテェマは「選ぶ」です。
先日書いた、自分の記事の焼き直しみたいなモノで恐縮ですが「選ぶ」と訊かれて、最近思いつくと云ったら、やはり「国民投票法案」のコトでしょうか。


■国民投票法案骨子

 <投票の対象>
憲法改正について国民投票に関する手続きを定める

 <投票権者の年齢>
18歳以上は投票権を有する。施行までに18歳以上が国政選挙に参加できるようにするなどの措置をする。それまでは20歳以上

 <過半数の意義>
賛成が有効投票総数の2分の1を超えた場合は承認

 <公務員、教育者の地位利用の禁止>
公務員、教育者が影響力を利用して国民投票運動はできない。罰則は設けない

 <投票日前の広告放送の制限>
投票日の14日前からテレビ・ラジオの有料の広告放送を禁止

 <個別発議>
憲法改正原案の発議は内容に関連する事項ごとに行う

 <憲法改正原案の審査権限の凍結>
憲法審査会は公布3年後の施行まで憲法改正原案の審査、提出をしない
 
 【毎日新聞:3月27日より、一部抜粋】





一般には憲法改正を容易にするためと云われている「国民投票法案」――どこかの世論調査では「国民投票法案」に“賛成”する国民は70%近いとの結果が出ているそうですが、うわ~スゴイね、みんな。
今の憲法のどこがおかしくって、どう変えなきゃならないほど、憲法のコトくわしく知ってるんだ?
よいか悪いか判断できるほど、アタマよいワケ?
ひゅー!イカしてる。コレで日本も安心だ~!

……って?アホかいッ!あるワケねぇだろッ!?
選べる?選べんのかいッ!?

みんな「この憲法とあの憲法、どっちがよいと思いますかぁ?」なんて訊ねられて、答えられる?
仕事に追われている毎日の中で、憲法のあんなコトやこんなコト、変えてよいかどうか訊ねられて、考えるコトができますか?
真夜中まで残業して、疲れきってやっと帰った自分の部屋で、憲法について新聞や週刊誌、はたまたネットや政党のビラを読んで、その内容や妥当性を精査するコトができますか?
子どもの勉強や学校のコト、家計のコトにアタマを悩ませている日常で、講演会にでも行って憲法のコトを考えようって気になりますか?
もし連休や夏休みに投票日が設置されたら、休日や数少ない家庭サァビスの機会を返上してまで、みんな投票に行きますか?

多分、ムリ。
いや、投票するだけなら誰にでもできるけど、細かいコトまで精査して、その憲法が変わるコトによって、どんな事態になって、その時はどんな風に対処するって……そんなコトまで判断できるワケねーだろッ!

「国民が直接政治に参加できるのはよいコトだ!」
「国民が政治を決定できるコトが民主主義だ!」

……ん?あぁ、そうだね、確かにそうですよ。お題目だけは立派だ。
でもね、ボクらは一日中政治や外交のコトばかり考えているワケにはいきません。
ボクらにとっちゃ、日常生活のほうが大切なんです。ソッチに使う労力の方が、はるかに大きいんですよ。
だからこそ選挙ってもんがあって、ボクらの代わりに政治のプロに、そういった方面のコトを専門的に処理してもらおうってワケですよね。
ボクらは自分たちの意見を代弁する代表者を“選び出して”国政の場に送り出すコトによって、政治に参加するのです。
それが日本の民主主義。

このクソ忙しい日常の中で、どの憲法がよいだの、この憲法のココがおかしいだの考えるヒマなんざ、ありゃしないんですよ。
それをいきなり

「ホレ、国民主権だろ?
オタクらこのコトについて正しいと思うか、間違ってると思うか、ハッキリしなよ」


って具合にボォルをひょいと渡されて、国民の一体どれくらいの“有権者”が答えられると思いますか?

あのさ、ハナシがむずかしすぎたら、ボクらは理解できないよ。
だったら“選ぶ”コトだって、できないよね?
ボクのようなアタマの悪い人間でも理解できるように単純にしたら、今度は本質が見えなくなるし、法律として機能しなくなる。
だったら国民に投票させる意味なんて、はたしてあるのか?
ボクらには――少なくともボクと云う人間は、気負って、憲法のコト、アタマよいふりして語るコトなんてできやしませんし、自分が理解できて範囲でしか、モノゴトは判断できませんよ。

だからって、国民をバカにして云ってるワケじゃないし、国民投票や選挙をムダなコトって云うつもりもない。
憲法だって、必要だったら変えていかなけりゃいけない条項だってあるかもしれない。
必要なら、変えなきゃいけない場合もあるでしょう。

でもそれなら――いや、だからこそ何がどういけないのか、どうして変えなきゃいけないのかってのを、主権者である国民が石橋叩くつもりでじっくり議論して、その上でみんなで責任をとるつもりで決めなきゃならないと思うのです。
そういうコトができるシステムかな、この「国民投票法案」は?

「選べ、選べ」「お前たちが決めるのだ」

なんて云ってるお上だけど

「どうせバカな下民どもに、モノゴトを深く考えるコトなんかできやしねぇって。
コッチの思惑どおりに動かすなんて、簡単なコトさ。
お上から押しつけられたモノだって、自分たちが“選んだ”つもりになりゃ、文句は云いにくいわな。
あっはっはっは」


なんてあたりがホンネじゃないの?どうだろうね?

※  ※  ※

普段、このコラムではあまり肩の凝らないハナシを中心に展開してますが、今国会で「国民投票法案」が可決される可能性が高くなったようですので、あえてこの話題に触れてみました。

「逍遥録-衒学城奇譚-」は、小なりとは云え、与党が提出する「国民投票法案」に反対します。
ボクらの生活が「ハイ、それま~で~よ~!」にならないように!
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by uts_home | 2007-03-29 01:04 | コラム
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