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四阿日誌#10:Sailing/徒然気儘な綴方帳・McRash
えー、例のごとく遅刻なわけでございまして、本日もあたしの方に一席お付き合いを願っておきますが、風にもいろいろな風がございます。たとえばフォルクスワーゲン車の名前はほとんどが風に由来するそうで、たとえばゴルフはスポーツのゴルフではなく、ビズ・ジェットと同じガルフストリーム(メキシコ湾流)だったりいたしますし、ゴルフのセダン版と言うべきジェッタは文字通りのジェット気流、ラージセダンのパサートは日本語で言う貿易風だったりいたします。

はたまた、駆け抜けていくことを風を切ると言ったり、一大ムーブメントを旋風になぞらえもしますわねぇ。事程左様に、風は世界に満ち溢れているわけでございまして、寿限無の長い長い名前の一節にも、風の来る末は果てしがなく目出度い、てなことで、風来末というのが入っているのはご案内の通りかと思います。



さて、その風を重要な動力源として海を渡るのがヨット、より正確に言えばセイルボートでございまして、ヨットは帆を的確に操ることによって、どのような風向きであっても大筋で望む方向へと帆走することができます。もちろん、風に向かってまっすぐ走ることはできないので、そういう進路の時はジグザグに進路を適宜入れ替えていく(専門用語ではタックなんて申します)わけですが、UTS的な意味合いにおいて、いまこの世相の状況を鑑みたときに、もしかしてこういう、あたしたちの望まない方向への強い風が吹いている状況にあっては、ストレートなアプローチではだめで、遠回りをすることにはなりますが、たくみにタッキングしてアプローチしていくことが必要なのかな、なんてことをちょいと考えたわけでございます。

実際問題、いっそさわやかなほどの惨敗に終わった東京都知事選挙を思い出しましょう。中には組織的な不正があった、というような感触をお持ちの方もあろうかと存じますが、そうした状況を非難する声が広がらない現状、そこを衝いたところでこちらの望む方向へと事態は動かないんであって、そうして、圧倒的な信任を得た、と石原慎太郎に思わせてしまったこの逆風をどう乗り切って風を読み、進路を決めていくかということを考えたときに、このアプローチの仕方が問題になってくるのかな、と、なかなか具体論まで着かないのがもどかしくはあるのですが、そんなことを考える昨今なのでございます。

そもそも、じっくりと、賛否両派が大筋で納得しうるだけの議論を尽くすことよりも、「単純明解で」「素早い決断を下す」「毅然とした」「ブレない」「リーダーシップ」なるものが支持される日本の現状を考えたときに、それが民主主義から程遠いものだと直接言っても、人口に膾炙しはしないんじゃないだろうか、という疑念があるのです。

即効薬などない、ということを直接言っても、今のこの状況では何の役にも立たないことを、あたしたちは肝に銘じなくてはならないように思うのです。

では、どうしたらいいのでしょう。だからといって訴えかけをやめてしまうことは、この今にもかき消されてしまいそうな声を完全に殺してしまうことになりますから、するわけにはまいりません。そこで、想像力に訴えかけ、想像力を発揮していただけるようなアプローチを構築しなくてはならないのです。今のこの国の針路が、どういう未来をもたらすか、という未来予想図は、すでにあたしたちの共通認識に近いものとして確かに存在はします。しかし、その未来予想図が、広く民衆の共感を呼ぶものになっていないことを、残念ながら認めなくてはなりません。

甚だ具体的な提案に欠けてしまうのですが、しかして、あたしたちに出来ることは試行錯誤を続けること、アピールを続けることの二つしかないのかな、とも思います。

もちろん、過去と誠実に向き合うことは大切なことあり、まほしき未来へと針路を紡ぐために不可欠です。ですが、今はそこを強調する時期ではなく、より魅力的な未来予想図の構築を図らねばならないのかもしれません。UTSメンバーでもある星影里沙さまのblog名を引かせていただきますが、人々の心に訴えかけるような、「憧れの風」を起こすことが、今必要なことなのではないでしょうか。

てなところで、お後がよろしいようで。
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by uts_home | 2007-05-10 22:08 | コラム
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