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品川さんの経済戦略 by「再出発日記」くま
今回のUTSのお題は、「政治・政治家objection」と題し、こんな政治をして欲しい、こんな人に政治家になって欲しい、こんなことにも目を向けて、というような政治や政治家に関するエトセトラだということでした。たぶん皆さんあれもこれもあって、かえって書きにくいのではないかと思うのですが、私もそうです。だから結局、変化球を投げざるを得ません。

そういうことで今回は、本の紹介をしたい。
「戦争のほんとうの恐さを知る財界人の直言」(品川正治著 新日本出版社)という本です。この前、「品川の品定めをしてやろう」と臨んだ彼の講演で、すっかり品川正治氏(元経済同友会専務理事、元日本火災社長、会長)のファンになってしまいました。その講演の要旨は拙ブログの品川正治氏の講演『戦争をとめることの出来る者は誰か』
品川正治さんの講演『経済人からの直言』 に書きまし た。その中で私は「これからの護憲運動の指標になるかもしれない。経済が絡んでいるからだ。」と書きました。政治を動かすのは思想か、経済か、を問われると基本的には経済だと私は思うからです。品川さんは根っからの経済人です。しかも非常に戦略的にものを見ることが出来る人です。多分竹中さんも経済人なのでしょう。けれども彼が見える先はおそらく自分の息子が孫を持つぐらいまでしか見えていないでしょう。つまり自分の周りのことしか見えていない。品川さんの目には50年先の日本が見えているような気がします。





品川さんは講演の中で次のように言いました。
「「日本とアメリカは価値観を共有している。」これを言い出したばかりに、物事を説明するのに、非常に複雑な論理を使うようになりました。どうして「違う価値観を持っている」といえないのか。それを言えば、選択肢は非常に多岐に広がると思うのですが。」
「日本は世界第二位の経済大国です。日本の資本主義が間違っていたならば、GNPが世界第二位になると思いますか。なぜアメリカ型、アングロサクソン型にしなくてはならないのか。アメリカでは、企業ははっきり資本家のものです。収益はまずは資本家に入るべきものです。しかし、日本の経済者のDNAには、社員の給料を削れば削るほど自分の給料が上がる、というDNAは無いのです。自分の給料も削ろう、というのが普通です。」
「国民が、国民投票でNO!といってしまえば、「アメリカと価値を共有する日本」は明確に変わる。アメリカの日本政策も変わる。」

新自由主義とか難しい言葉は一切使わずに、非常に根本的なことをいう人でした。 経済同友会は数年前改憲提案を出したところです。そのときは彼が関係していなかったとしても、こだわりはありました。けれども霧散しました。

この本では、想像以上に経済人としての護憲の「戦略」が語られています。空想的理想主義ではないのです。あえて言えば、現実的理想主義といえるかもしれません。
「日本は、軍事産業とはほとんど関係なく世界第二位の経済大国になったから、経済では軍産複合体は少数派です。(略)ところが、日本の産業の一部に過ぎない「勝ち組」の経営者がトップに上がったので、経団連や経済同友会があんな発言をするようになった。ほかの経営者は賛成しているのではありません。反対できない立場にいるのです。」(90P)
もと経済同友会のトップのこの言葉は重い。現役の社長さんたちは「声の大きい」奥田とか御手洗とかの陰で、世論の声が大きくなるのを待っているのです。

品川さんはアメリカは「切羽詰っ」ているという。10ヶ月交代のアメリカでは兵士の交代が利かないでいる。だから早く九条二項を変えて欲しい。それを待つ余裕がないから、日本の海兵隊、韓国とドイツの最優秀のプロの部隊を動員したい。そのための米軍再編なのです。だから、日本が九条を国民投票で守れば、アメリカの政策を変えることが出来る、と言い切ることが出来るのでしょう。

「紛争」はなくならない。けれども「紛争を戦争にしない方法はありえる。」(42P)憲法の力をそう言い切る、老人の言葉に共感し、若者は何をすべきか。

「国家経済」にではなく、「国民経済」に軸足を置くのだといいます。例えば、アメリカの陸海空軍全体の総予算よりも日本の公共事業予算のほうが大きい。この「公共事業複合体」ともいえる体質を転換する。既得権益を守ろうとしている、ゼネコンやそれに結びついた与党ほかの政治家たちを転換させる。労働組合の声をもっと上げていく。(170P)

安倍首相の好きな福沢諭吉は言いました。「一身独立して一国独立する。」それは品川流に言えば、「国民経済を確立して、アメリカから独立する。」とか「憲法を守って、九条の精神を世界に広げる」とか言うふうに私には読める。
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by uts_home | 2007-07-03 00:41 | コラム
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