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七歩の詩(20)--日替わりコラム(「逍遥録-衒学城奇譚-」発掘屋)
【民主主義とやらを、ちょっと考えた】

こないだ職場の若い子とハナシしたんですが、何がどーなってそんな話題になったのか忘れちゃったけど、強行採決のハナシになったんですよ。

「強行採決って云うけど、多数決で決定するのは、当たり前のコトじゃないか。それが民主主義だ。少数の意見が通る方がおかしいんだ」
ま、彼はそんな調子だったワケですよ。
ん?どっかで聞いた論調ですね。
ま、ソレはともかくハナシをしてると彼とボクと“民主主義”ってヤツ(言葉にすると、こッ恥ずかしいね)のとらえかたが、どーもそれぞれ違うみたいなんですよね。





彼の場合は、国民の選良たる代表者が多数決でモノゴトを決めるのだから、結果的にそれは国民が多数決で決定したコトになるって考えてます。
もちろん代表者に白紙委任状を渡したワケじゃないから、すべてにおいて理屈が通用するワケじゃありませんので、国民の意思に反した選択をした場合は、当然それなりの審判をうけるべきだと考えていますが。
つまり彼は“民主主義”とは、意思の決定の手法であると考えているようです。

ボクの場合は、もちろん決定の手段として多数決は当然だが、多数の意見が絶対に正しくはないはずと考えます。
ゆえに齟齬があればそれを正す必要があり、それを議論して欠点を補うことが“民主主義”の意義ではないかと思っているんです。

「たとえばある政策について、与党がAと云う案を持っている。野党がBと云う案を持っている」
「それぞれの案には5つの柱がある。与党案はA1から3まではよいが、4と5に欠点があるとする。一方野党案はB1から3までに欠点があり、4と5はよいものである。ならばA1~3と、B4・5とを合体させるコトがベストのはずだ。」
「ところが与党は多数だから野党と話し合うコトをせずに、自分たちが考えたA案をそのまま採決をする。そうなるとどうなるか?不完全な政策ができてしまう」


不完全なモノを、不完全なまま、決定する。
近年、与党がおこなっている審議の否定――強行採決とはそういったコトなのですよ。
もし数が多いだけの意見が通るのであれば、選挙が終わった時点で、野党は存在すら意味がないはずです。

でもいる。何でか?

与党が出してきた案が妥当かどうか、国民にかわって判断する必要があるからです。
そのシステムこそが“民主主義”。

国政の場での少数意見という言葉の背景には、何百万もの国民の意思と判断力があります。
10人や20人じゃないんですよ。
その中にも、簡単にポイ捨てしまえないような内容もあるはずです。
それを可能なかぎり拾いあげることが可能なシステム。
不完全な案を持ち寄って、より完成度の高い政策を作る上げるシステム。

それが“民主主義”とやらではないかなぁ?

不完全な案を作るコトが、国民の選択か?
不完全なモノ、欠点のあるモノを作らせるために、国民はわざわざ選挙に行ったのかな?
そうじゃないと思う。
誰しも、よりよいモノを目指して選挙権を行使するのだと思う。

「政治とはそんな単純なモノじゃない」と彼は云います。「対立する政党に抵抗するために、無意味な対案を出すコトもあるし、反対のための反対をするコトだってある。そんなのは理想論だ」

もちろんそんなに単純じゃないし、各々思惑があって、そんなにキレイにはいくはずもありません。
しかしボクは単純でよいと思います。少なくとも基本はね。
複雑になってくるのは、実際の案を議論する段階でよいのです。
キレイじゃないから、汚くって当然だからって、はじめっから理想を口にすらしなかったら、いつまでたっても何も変わりゃしないよ。

だいたい、ボクはそんなに民主主義は万能とは思っていません。
ボクみたいなナマケモノにとって理想的なのは、きわめて有能な支配階級がいるコト。
彼らがボクらの生活まで含めて全部決定して、幸せで、不公平がない。
それならどーぞどーぞと、お任せしたい。
3流SF小説の世界そのままですが、スッゴイ楽チンだし、余計なコトにわずらわしい想いをせずにすみます。
できるなら政治なんぞに参加せずに、ノンビリと酒でも呑んで、本でも読んでいたいだけ。

でも現実は違う。
有能な支配者もいないし、世の中は不公平と不条理に満ちている。間違いだらけだ。何より酒が高価い。
ボクみたいなのだって、オカシイと感じるくらいだ。

だから云うワケ。おかしいんじゃないの?って。
その「オカシイ?」を形にするコトができるってのが“民主主義”のよいトコロでは?

正直云って、話してるうちに、ボクも混乱しちゃいましたけどね。
そしたら「アンタ、アホだ」とか云われてしまった。
まったくもって同感であるけど。

何かとりとめのないハナシになっちゃたけど、ま、そんなカンジで。
そんじゃ、オヤスミ。
選挙が終わってから、今度は気分よく会おうね。
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by uts_home | 2007-07-10 00:36 | コラム
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