えー大遅刻でございまして、気がつけば大晦(おおつごもり)。
しかも根多がない、という始末。この体たらくをどげんかせんといかんわけでございますが、時間がないのでこのままダラダラと見切り発車しちまおうってな料簡でございまして、お後お目当てをお楽しみに一席お付き合いを願っておきますが。
さて、今年あたしが一番心に残っている記事と申しますか、村野瀬玲奈さまの秘書課広報室から、「
2008年度のミス・フランス『多様性と寛容のフランスを体現したい』」というエントリをご紹介させていただこうかと思います。この記事、先刻御存知の方の方が多かろうかとは存じますが、多様性と寛容、というこのキーワードに、あたしは着目したいわけでございます。
ってぇのも、これこそが、2007年の日本の状況を俯瞰して、一番失われてしまったものなんじゃないかと思ったわけでございまして、同時に、これこそが人間性の豊かさを担保するんじゃないだろうかと思うわけです。
市場原理主義の進展は、多様性と寛容を奪います。もともと多様性に乏しい日本の国情にあって、市場原理主義を持ち込めばどうなるか、現状を見れば明らかです。もともと少ない多様性が完膚無きまでに失われ、そしてかつてはふんだんにあった寛容さが忌み嫌われ排除され、後に残ったのは荒涼とした弱肉強食の冷酷な社会ではありませんか。
そして、一握りの特権階級的な地位にあるものだけが肥え太り続け、大多数の庶民は圧政に苦しめられているにもかかわらず、代替となりうる選択肢を隠されてしまって、総体では圧政を支持してしまう。
サッチャリズムやレーガノミクスの失敗を、この世界では20年も前にまざまざと見てきたばかりだというのに、なぜそれを今更日本に持ち込まねばならないのでしょう? 気が違っているとしか思えない。落語の「平林」でしたら「いいえ、字が違っております」でサゲられても、現実はそうはいかない。
2008年に向けて、人として取り戻さなくてはならない多様性と寛容さ、ということを今更のように提起して、2007年の四阿日誌を締めくくりたいと思います。1年間のお付き合いに心からの感謝を。そして願わくば、いよいよ来たる2008年にも、引き続きのお付き合いご贔屓を希い、皆様のご多幸ご健勝ご発展を心よりお祈り申し上げたいと思います。それでは、あらためましてお後がよろしいようで。