麻生内閣の支持率がそれほど落ちてきていない。安倍や福田の支持率はご祝儀相場の時期を過ぎた途端にガクンと下がったのに、意外に持たせている感じだ。これだけ経済が悪くても、世界同時株安だったら仕方ないか、と思わせるのに成功しているのかもしれない。また、前の二人と違って「やんちゃ」なイメージの振りまきに若干成功しているところもあるのだろう。小泉を思わせる、冷たい薄ら笑いが、何だか自信のあるリーダーに見えるのかもしれない。
こんなことを考えていると、この国で民主主義なんて考えるのは、やめたくなってくる。ただのでたらめでもごまかしきれる、こんなことがこの国では140年間も続いてきた。おそらくリーダーの資質や適性の高い方から日本人を順に並べたとすると、最後尾の近くから選んだとしか思えないような人間が権力を握る。
最近の世襲政治家たちは、何もものがわかっていないようだから期待するだけ無理だが、少し前には理念を持って政治家になった人もいたように見えた。少なくとも世の中の見方については充分な勉強をした上で政治家になったとされる人はそれなりにいた気がする。しかし、自分が権力の階段を上るうちに、どうせ安い手品にだまされるような国民なら自分がだます側になった方がトクだ、と思い始めるのも無理はない気がする。もちろん私は権力の階段など一切上っていないが、ふと「だます側に回れたら得だろうなあ」と考えることもある。聖戦も大東亜共栄圏も全くの嘘っぱち、中国人や朝鮮人を麻薬漬けにして国と人を破壊していることを知っているからこそ大陸に渡って麻薬商人をすればどれくらい儲かるかの算段がつく。少し物事がわかるということが、人間を続けるか、やーめた、とケツをまくるかの選択を迫ってくる。
最も小泉改革によって痛めつけられている人たちが、強いリーダーを求めたり、実は最大の格差社会を生み出す戦争を望んだりするいま、ばかばかしくてまともな人間であることをやめたくなってくることもある。
そんなときでも、きっとこの国はよくなると信じて頑張る人が身近にいる。ああ、自分は何てことを考えていたんだろう、恥ずかしいなあと思うから、結局やめられない。やっぱりいまの日本はおかしいじゃないか、そう言い続けよう。140年の夢から覚める日を信じて、私は明日も人間をやめられない。