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カテゴリ:コラム( 309 )
私がオヂサンになっても
夏が終わった。終わってみればあの憎々しいほどだった汗滴る日々も、ある感傷を伴いつつ虫達の泣き声に掻き消される、まるで陽炎のように。また夏がひとつ過ぎ、また私はひとつ年を取った。
近年とみに腹が出ることは言うまでもないが、腹の出具合に正比例して食に対する欲が止まることを知らない。和み系・癒し系の腹の持ち主。まさにポニョ。
また新たに行きつけになる店を発見してしまった今週、串カツの油が勝つか、我の腹のキャパシティが勝つかのシビアな闘いを、しばらく続けるつもり。何故その店をチョイスしたのかは、至極明瞭。もちろんスタッフが皆カワイイ女の子だったからである。
女の子を昔のような審美観では見なくなったなと、ほろ酔いの帰り道。今はもう、自分のものにしたいという目では、女の子を見ない。まるで美術品か工芸品を見るような目で、女の子を見ている自分に気付く。なんなんだろう、この彼岸に辿り着いたような感覚は。現実感なく、女の子を愛でる感覚は。切実にセックスが欲しい季節は過ぎ去り、まるで風に揺れるコスモスをある微笑を持って今秋も受け入れるような、自然の摂理に従っているような、異性の美やはかなさに対する感覚。私のことを理解してくれることなど、露ほども望まない感覚。ただ私は路傍に生える元気のない草の一葉でいいのだ。コスモスが美しく咲き誇るのを眺めることさえ出来れば。一生懸命に咲くコスモスの、邪魔はしたくない。そして、雑草は雑草なりに忙しかったりもする。

こんなことをつらつら生ビール二杯、安ワイン二杯の頭で思うのは、やはり私がオヂサンになったからだろう。セックスが切実な問題でなくなったのは、多分悲しむことでなく、喜ぶべきことだろう。そういう予感がある。多分もっともっと、深部に細部に近づける。一編の拙い作品として、己の生すら客体化出来うるだろう。醜く憎々しい絵を、カンバスいっぱいに描きたい。
人生の妙味を知るのはこれからだ。
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by uts_home | 2008-08-29 23:05 | コラム
七歩の詩(29)--日替わりコラム(「逍遥録-衒学城奇譚-」発掘屋)
奈良の明日香村にキトラ古墳という古墳があります。
7世紀の後半から8世紀にかけて造られた古墳で、遺骸を安置した石室の天井に星座が描かれています。
当時の中国の思想に基づく星座で、星宿とも呼ばれ、西洋のものとくらべて、2~3個程度の少ない数で星座を形作ります。
同様のものは高松塚古墳にも描かれていますし、海外では高句麗や満州の古墳にも描かれています。
大陸からの渡来人が伝えたものでしょう。
当時の日本が、中国や朝鮮半島ときわめて密接な文化的交流があったコトの証明でもあります。

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by uts_home | 2008-08-19 23:26 | コラム
無言の星
宇宙、星・・・。なにも浮かばない自分がいる。
締切日の深夜、今夜も酒場で初対面の人妻を散々口説いて帰る路、ふとひとつの光景が思い浮かぶ。
16の鼻垂れ高校生だった頃、初めてバイトを始めた。田舎の学生の例に漏れず、新聞配達。毎度の事だった定期試験の夜を徹した打ち上げもそこそこに、自転車を漕いで新聞を配った。
当時俺らの間でお世話になってたのは、サントリーの角瓶。それをコーラで割ったコークハイを延々あおって、みな騒いだ。尾崎豊や、ザ・ブルーハーツの頃。
したたか酔った頭を持て余し、荷台にインクの臭いのまだ取れない新聞を目一杯積んで同級生の家々を回る早朝、冬の厳しい寒さの折りにはよく流れ星が視界を掠めた。四国山脈に消え行く星達。願いをかける間もないままに、その尾は非現実のものとなった。
怖いほど星の降る夜もあった。そんな時はどうにも不吉の兆しに思えてしかたなかった。

あの頃と今を比較して、よくなったことなどひとつもない。

すこしくらい、としをとってよかったとおもいたいものだ。
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by uts_home | 2008-08-14 23:32 | コラム
花のように
今夜も酔い潰れて辿る家路、奄美出身の美女と乾杯を交わした後、とめどなくワインは我が五臓六腑を透過してゆき、夜汽車の車窓はいつもと変わらぬ瞬きを繰り返す。あぁ、なんて素敵で、なんて詩的な、ある八月七日の、あるちっぽけな夜。口腔にはほのかに大蒜の残り香。目の奥にはあの零れるような美女の睫毛と、そしてあの消え入りそうな眼差し。京都に来てよかった。そう思える、夜。

幾人にも美女には出会ったし、幾杯も美酒はあおった。それでも辿り着かない我が楽土。あぁ、我が貪欲なのか、世界が貧弱なのか。

車内掲示の「モディリアーニ展」の碧い眼をした少女が、我を慰むように見ている。そう言えば、T.N.君の貴弟はモディリアー二に因んだ名前だったな。私は、何をしているのだろう・・・。

花のように、花のよに・・・♪
中孝介の名曲の歌詞が出てこない。悲しい、哀しい、夜。車内アナウンスの「保津峡」が空しく響く、トンネルを越えれば、我が心休まる庵に辿り着く。
血が欲しい。一滴の、心休まる、血が。私の中を駆け巡る血を、実体化させ、両手で噛り付き、んぐんぐと飲み干したい。
私の渇きを癒すのは、ただ私以外にはない。そう確信する、夜。
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by uts_home | 2008-08-08 00:40 | コラム
星の断想…… by 【Les Chemins De La Liberte'】 kikyo

仕事帰り。駐車場に車を停め、少し離れた住居に向かう途上で、しばらく空を見上げるのが日課となっている。私の住む田舎では今でも満天の星を仰ぐことができるのだが、幼い頃に飽きもせず眺め続けた星空とは、随分と変わってきたように思う。

それは、汚染された大気を象徴するかのように靄のかかった天空を、極めて物質的な光を放ち飛行する航空機によって星々の輝きが翳んでいる所為でもあり、或いはまた宇宙や星に対するそこはかとない憧れの感情が年齢を重ねるほどに失われていき、私の視覚的な印象を変えてしまった所為でもある。

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by uts_home | 2008-08-01 12:38 | コラム
流れ星・・・by T.N.君の日記
 標高千数百メートルの僕の田舎では、天の川が本当にきれいに見えます。まさに星が降ってくるという感じです。あまりにも沢山の星が見えすぎるので、白鳥座や琴座でさえ探すのが大変な程です。

 中学生の頃、部活動を終え薄暗い道を1時間ほど歩いて帰宅していましたが、道路脇の林や草むらは深い闇と化し、風に揺れたりするとなんだか薄気味悪いので、もっぱら遠くの山の端と夜空との淵を眺めながら帰っていました。ぱーっと開けたところでは、しばし足を緩めて空を仰ぎ、色々なことを妄想したり、他愛のないことを考えたりしていました。

 山は紅葉が真っ盛りの10月のある日、いつもの様に部活動を終えて、星空と山の端を見ながら帰っていると、突然西の空に大きな流れ星がスーと流れました。一緒に帰っていた弟と、「あ、流れ星だ。」と叫びました。また流れ星飛ばないかなと、暫らく二人で夜空を見上げていると、今度は北西の方向にまた流れ星が流れました。「願い事、何にする?」と弟が聞いてきましたが、それを皮切りに次々と流れ星が飛ぶので、なんだか願い事を3回唱えるどころではなくなり、ポカンと口を開いて暫らく一大天体ショーを見入ってしまいました。

 だんだん首が痛くなってきたのと寒くなってきたのとお腹が空いてきたのとで我に返り、「家に帰ってお母ちゃんにも教えてあげよう。」という事で家路を急ぐことにしました。「なんで流れ星って飛ぶの?」「なんていう名前の流れ星なのかな?」矢継ぎ早に弟が聞いてきます。帰って理科の先生に電話で聞いてみることにしました。先生は見に行ってくると言ってそそくさと電話を切ってしまいました。翌日、「ジャコビニ流星群」という名前の流れ星だよと教えてくれました。僕らが見たのは1985年の大流星群だったのでした。

 お盆の頃は、ペルセウス座流星群が見られます。ペルセウス座が天上に顔を出す22時過ぎから3時くらいまで、運がよければ数百個の流れ星が見えます。ビニールシートと寝袋を用意してねっころがって夜空を見上げるのが、グ~。
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by uts_home | 2008-07-30 01:23 | コラム
変わらない宇宙、変わらない自分--by Luxemburg
7月に星と言われれば七夕を連想する。小さいながらもおりひめとひこぼしが会えますように、などと純朴に願っていたら、先生に皆さんもお願い事を書きましょう、と言われて、違和感をもったのをおもいだす。子供心に、人の幸せを願うべきときにどうして自分の願い事なのか、何かあるとすぐに便乗して願い事をするのはなぜか、などと妙にひねくれたことを考えていた。だから七夕の短冊で「どんなお願い事を書いたか」などと先生に言われて、「おりひめとひこ星が会えますようにと書きました」と答えると、「それではそのまますぎますね、自分が何を望むのかを書きなさい」と言われ、そのままで何が悪いのですか、というようなことを言って少し口答えをしたりした。

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by uts_home | 2008-07-24 01:09 | コラム
「心が軋む時には……」by華氏451度
 すみません、サボリ癖のついた華氏でございます。今回のお題は「○○を紹介します」。うーん、何を紹介しましょうか。紹介したいものは数限りなくあります。でも、あれやこれやと迷った揚げ句、いつもついつい本の類を紹介してしまうのが私の悪習。子どもの頃から本に淫していれば幸せだったせいでしょうか。あるいは本以外のことになるといきなり「どこそこの野菜カレーは旨い」とか「時間つぶしに飛び込んだ小さな美術館でいい絵をみつけた」とか「この間仕事でどこそこに行った時に会ったジイサンが実におもしろい人だった」等々、やたらに地域その他限定的な話題になり、詳しい説明がなければ聞いた方は何が何だかわからん、という状態に陥りがちなせいでしょうか。

 というわけで……やむを得ず?本――というか、物語の世界のご紹介などを。ご紹介というか、お勧め……かな。いや、やはりいつもの通り単なる寝言かも。

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by uts_home | 2008-07-16 06:21 | コラム
鉛の心臓は、何故二つに砕けたのか。…… by 【Les Chemins De La Liberte'】 kikyo
コラムが大変遅くなり申し訳ございません。色々と書き始めていたのですが旨くまとまらなかったため今回は断念し、以前に自ブログで綴った拙文を若干手直しの上、掲載させて頂きます。どうぞお許しください。

…………………………………………………………………………………………

幼い頃に親しんだオスカー・ワイルドの『幸福の王子』は、今でも折にふれて読み返す唯一の童話集である。

表題作『幸福の王子』に初めて「ふれた」のは子ども向けに製作されたテレビ番組だった。鮮やかな色彩を放つ影絵による魅惑的な表現と、どうしようもなく切なく悲しい物語は、当時はまだ純真(笑)であった少年から当然の如く涙を絞り取っていった。童話集自体を「読んだ」記憶は定かではないのだが、たぶん少年少女向けの文庫だったように思う。美しい王子と、けな気なツバメの挿し絵とともに、読み手の想像力をかきたてるワイルドの端麗なる文章(無論翻訳者の腕もある)、王子とツバメの極限にまで高められた愛情表現が、心の奥深くまで沁み込んでいった。

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by uts_home | 2008-07-12 01:56 | コラム
日本を紹介します--by Luxemburg
今日は私の住む国、すばらしい日本を紹介したいと思います。
なにからがいいのかなあ、そう、日本は世界最初の死刑廃止国でした。一次的に停止したんじゃありませんよ。平安時代のほとんどの期間にあたる350年間弱、武士の時代が到来するまで、死刑が廃止されていました。もともと中国の律令制度を学んだ日本でしたが、「律」つまり刑法を中国から輸入しつつ、一段階ずつ寛容な刑にして取り入れたと言います。そんな穏やかな国、日本ですから、もちろん死刑廃止の世界記録をもっているのは日本です。他の先進諸国の記録はまあ長くても50年ほどですから、けた外れです。しかも、最初に作った記録です。すごいでしょう?

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by uts_home | 2008-07-05 23:55 | コラム
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