みなさん、こんばんは。
『逍遥録―衒学城奇譚―』の発掘屋です。
コチラでの更新はお久しぶり。
のんびりしているうちに、もう衆院選を直後に控えております。
想えば、郵政選挙と銘打たれ、自公与党とメディアにより、本来の政策や国民の生活をまったく置き去りにしたお祭騒ぎが演出された前回の衆院選から、ほぼ4年が経過したことになります。
みなさんもご存知のように、その選挙により自公与党は3分の2以上の議席を獲得しました。
さて、そしてこの夏。
今回の選挙はどうやら民主党に“風”が、それもとてつもない“大風”が吹くであろうというのが大勢の見方のようですね。
おそらく、民主を中心とした政権が、この国に誕生します。
一方で小政党は埋没し、存在意義がなくなる恐れがあります。
いわゆる二大政党制の嚆矢となるのかもしれません。
今ボクらは、ある種の興奮の中にいると云えるでしょう。
ですが、ボクはそれに非常に危ういモノを感じます。
感情は、ひとときの興奮時をぬければ、急に冷めていくものです。
民主政権になった途端、日本の景気が回復するなど夢物語です。
政治には時間がかかります。
特効薬はありません。
ましてや自公与党の手によって、破壊されつくした日本のシステムを、再び正常な軌道に乗せるのには、とんでもない時間と気の遠くなるような根気が必要です。
興奮の中で支持した者たちに、ソレが待てるのか、我慢できるのか?
庶民は決してバカではありません。
今回は解散、解散と云われてから長い時間がありました。
その間、いえ前回の選挙から、検証する時間は充分ありました。
その上での判断が下されるのです。
ですが、そのような冷静な判断とは別に、民主が大勝するという浮ついた雰囲気ができあがってしまっているコトも、また事実です。
この4年間は、この国が今後どのように進むべきかをじっくり考える貴重な時間であったはずです。
しかしその実態は、浮ついたお祭騒ぎ、お祭騒ぎ、お祭騒ぎ……
郵政選挙の結果、どのような国となったか?
庶民にどのような利益を与え、また不利益を与えたか?
自公与党のこれまでの政策は正しかったか、これからの政策は庶民に幸福をもたらすものか?
民主の政策は庶民のためになるのか?
自公がダメだから、自公にお灸をすえなければ、そんな理由で民主を支持してよいのか?
どの政党が一番庶民のためになるのか?
将来のヴィジョンは?
そういった根源的な議論が、なされたでしょうか?
政治家も相手を誹謗するコトにやっきとなって、そのような根気や地力の必要な議論を避けてきました。
もちろん民主党の政策にも、高速道路無料化など、まったく賛成できないものも多い。
一方、今までしてこなかったくせに、選挙前になるとアレもやるコレもやると云う自公与党の欺瞞はそれ以上に信用できない。
メディアは小沢と西松との関係、首相の漢字読み違いや失言などのゴシップを追跡するばかりで、庶民の眼を政治の本質からかけ離そうとしているように感じます。
衆院選を直後に控えた今、自分たちの未来について、どれだけしっかりとした話し合いがなされてきたか?
中途半端な熱狂の中、ボクらは確かな手ごたえを感じているのか?
自分たちの下した判断に、根気と覚悟を以って未来を託すことができるのか?
与党は云います。
「自分たちには実績がある!責任力がある!」
だからこれからの国政も任せてもらいたい――と。
なるほど、与党の政策により、庶民の生活が豊かになったのなら、それもよいでしょう。
でも実際はどうでしょうか?
この4年間に、自分たちの生活が向上したと感じられるヒトが、一体どれぐらいいるでしょうか?
ボクの眼に映るのは、彼らの悪政により、疲弊しつくした善良で平凡な多くの庶民です。
ボクのように、政治や社会について何か発言しようなんてガラでもない人間が、たまにそんなハナシをするのも、前回の選挙により、ボクらが直面したモノ、ボクらに押し付けられたモノが、あまりにボクらの手に余るからです。
ボクに大きな欲はありません。
ただ自分の身丈にあっただけのモノがあって、それがみとめられ侵されない世界があれば、充分なのです。
だから、少しずつですが、こんなハナシをしてきた。
日本を変えようとか、そんな大それた想いはない。
ただ、ほんの少しだけ、こんなコトを考えてるヤツがいるんだなぁって、誰かが知ってくれるだけでよかった。
まもなくひとつの決断がなされます。
そしてこの国は、その決断に身を委ねることとなるのです。
願わくば、その決断が、ボクらの未来をよりよき方向へ導かんことを。