えー、初夢、お正月、というお題をいただきまして、あたしの親類にちょうど本物の住職がふたりおりますので、和尚がふたりで和尚がツー、なんていう与太を飛ばして逃げようか、とも思ったのですが…わ、石投げないで(脱兎)
いきなり逃げてどうしますか、と、ツッコミどころを確保しつつ、今回の四阿日誌とまいりやしょう。これを書いている今日は12月中席の楽日ですが、気分は新春初席、ということで、一席お付き合いを願っておきますが。
さて、あれは何年前になりましたでしょうか。北海道庁が「北海道イメージアップキャンペーン」のキャッチフレーズとして選んだ言葉、「試される大地。」
時代の流れがどんどこ加速を続ける現代、覚えていらっしゃる方はもう多くないかもしれません。ですが、この2006年を受けまして、2007年を展望するにあたって、あたしが辿りついたのが、「試される」という言葉でして。
さて、2006年。日本では、平和と民主主義と人権を掲げて未来へと進まんとする勢力が退潮を重ね、世相は好戦性と不寛容と強者独占、という好ましからざる三重奏に塗り込められてしまう瀬戸際まで追い込まれました。
この年の瀬、ついぞ5日ほど前のことですが、この2006年を象徴するに相応しい、最悪の出来事がありました。
ご案内の通り、教育基本法の改正案が衆参両院の議決をもって可決・成立し、日本において、教育は個々人を充実させて民主主義国家を形成するひとを育てるものから、国家・公共を至上の価値として個々人を従属させようとするものへとシフトすることになりました。
これが、時計の針を逆回転させるものであることは論を俟ちませんが、2007年の日本を展望するにあたって、あたしたちが考え、実践しなければならないのは、時計の針を逆回転させようというムーヴメントと厳しく対峙し、人類が何千年もかけて築いてきた人権や平和の大切さ、そして、よりまほしき政体を形成するための一里塚としての民主主義を再確認し、それを実践すること、なのではありますまいか。
衆議院の小選挙区制を主軸とする選挙制度のために、日本の国会は民意と大きく乖離した状態が当分続きます。ですが、民主主義の国家体制を謳う日本国にあって、立法・司法・行政の三権を司る国会・裁判所・内閣(及び行政府)は決して国民の上位に位置するのではなく、国民の代理人に過ぎない、ということを声高く宣言し、代理人の一挙手一投足を徹底的に監視し、放縦と専横には厳しくNOを突きつける、という、主権者としての意識を高めることが、2007年を迎えるあたしたちには強く求められている、と感ぜられてなりません。
人権と平和と民主主義のルネッサンス、ということを、2007年の初夢に託し、新しい年を迎えるに当たっての目標といたしましょう。