まずはコラムが遅れ、他のコラムニストの方々のスケジュールを狂わせてしまった事を深くお詫び申し上げます。そして、いつにもましての乱文雑文になってしまったことをお許しください。
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まず私情を述べれば、「政治」への関心を急速に失いつつある。
市井的な社会問題や子どもを取巻く悲惨な状況に対しては、今も変わらず怒り/哀しみという本能的感情が湧き上がってくるのだが、政治屋ならぬ大根役者どもが飽きもせずに演じ続けている三流茶番劇に対しては心底辟易しており、失笑よりも前に渇いた溜息しか出てこないのである。「芸能ネタ」と同等の価値しか持たぬ此の国の「政治」など論ずる値打ちもなく、虚無に陥る一歩手前の嫌悪感のみが私自身の裡に澱み続けている。
此の国の「政治」は、つまるところ「色と欲とカネ」で全てを語り得るのであろう。
政治屋や官僚は当然のこと、これらの魑魅魍魎どもに涎を垂らして群がる企業や業界団体も、困窮する大衆を踏み付けながら剥き出しの排他的エゴイズムを全開にし、「色と欲とカネ」を我先に手中にせんと、自滅する其の時まで突っ走っている。環境、福祉、格差是正等の美辞麗句を幾ら厚顔無恥に並べ立てようとも、「自律と共生」「政治とは生活である」というスローガンとは裏腹に、強大なる権力を笠に「生活」から「政治」を遮断し、薄汚い私利私欲を充足させる為に、虐げられ追い詰められた人々から更なる収奪を企てる権力者/富裕層/取巻きどもの本懐とは、繰り返すが「色と欲とカネ」でしかないのである。
……「政治にはカネがかかる」
腐蝕した免罪符を振りかざし、もとからカネを浪費しない「政治」など有り得ないなどと己らの無智無能/無策ぶりを公然と晒す。
覇権国家に薄気味悪い“色”目を遣いつつ、「国民」から毟り取ったカネを軍資金として盤上の戦争ゲームへと湯水の如く浪費する。妄想で膨れ上がった盤面の敵/テロリストに対して睨みをきかせるという愚劣パフォーマンスによって、馬鹿な「国民」が目を奪われている其の隙に、己の懐中へと掠め取ったカネを捻じり込む。莫大な献金/賄賂が転がり込む従順なる大企業には税金を優遇し、明るい未来など望むべくもない大衆からは血の一滴まで搾り取る。
……色と欲とカネ。エゴイズムの謳歌。すべてを、この手に。
なんと馬鹿馬鹿しい「世界」であることか。
以下は余談である。
1人あたりの富は日本が世界一 国連大学研究所の調査
国連の研究機関が5日発表した「世界の個人の富の状況」調査で、為替レートで計算した1人あたりでは米国や欧州、産油国も上回って日本が世界で最も豊かな国となる結果が出た。また、世界の成人人口の1%が世界中の家計の「富」の約4割を所有し、世界の約半数を占める貧しい人々は「富」の1%しか所有していないという地球規模の格差の実態も浮き彫りになった。
調査は、国連大学直属の研究機関である国連大学世界開発経済研究所(ヘルシンキ)が初めて実施。00年時の各国政府や国際機構の統計をもとに、不動産や預貯金、株式などの個人の資産から借金などの負債を差し引いたものを「富」と定義した。国有資産となっていることが多い原油などの資源や大企業の資産は除外された。それによると、世界中の家計の富を合計すると125兆ドル。1人あたり2万500ドルとなった。国別に見ると日本は1人あたりの富が18万1000ドル(約2000万円)でトップ。米国の14万4000ドルなどを上回った。
(中略)
貧しい地域では、コンゴ(旧ザイール)が1人あたり180ドル、エチオピアは193ドルなどで、北米やヨーロッパ、日本などとの1000倍規模の激しい格差を示している。世界を10人の集団にたとえると、1人が99%の富を独占し、残りの1%を9人が分けている状態だという。
世界で最も資産の多い1%は、37%が米国に、27%が日本に住んでいた。【2006.12.6 朝日新聞】
「色と欲とカネ」でハチ切れんばかりに膨れ上がった腹を抱えた富める「国家」が、破壊し尽くされて砂漠化した大地の上で餓え死にする子どもを抱えた貧しい「国家」を眼前にして、ゲラゲラと嗤っている。
自国民のみならず、世界の貧しい国々から奪い続けた結果が、上記のデータに示されている。
「世界で最も資産の多い1%」の内、その半分以上を米国並びに従順なる従属国の二国が占めているらしい。流石は「権力」と「カネ」に対しては、凄まじい執着ぶりを発揮する「仲良し」同盟国のことはある。
「世界に誇る」ほんの一握りの富裕層を天上に崇め奉らねばならない我々は、果たして「幸福」なのだろうか。「世界の貧しい国」よりは、ほんの少しは「幸福」だからと、貧しい現実から逃避し、ひと時の矮小なる優越感に浸り切ることができればそれでいいのか。
無論、政治屋や官僚は鼻高々に「YES」と答えるだろう。それこそ我々が成し遂げてきた「政治」の成果だと。富める者/強い者が存在できるのは、貧しい者/弱い者の存在があればこそ。それを生み出す最大の力が「政治」なのだと。その「素晴らしい政治」を享受できるオマエたちは何と「幸福」であることか、と。
「幸福」さえもカネで買う連中に何を語ろうが、結果は判り切っているといえば、それまでか。
そして……電波媒体によって連日の如く垂れ流される政治屋や官僚どもの「色と欲とカネ」塗れの醜態を視て、私は渇いた溜息とともに束の間恥じ入り、すぐにまた日常の些事へと立ち戻っていかねばならない……。