えー、またしても遅刻やらかしてしまうわけでございまして、政治とお金、というシンプルでありながら難しいテーマを前に、足りない頭をフル回転させているわけでございますが、被選挙権について基本的に大きな制限のない(年齢ですとか、禁治産者でないこと、もちろん日本国籍を持つことなどはございますが)日本におきまして、政治家が政治活動の費用のすべてを自弁することは望むべくもないわけでございまして。
そこで、税金で歳費を支給するとともに、政治活動に使途を限定して、各種経費を支弁しているわけでございます。このこと自体は、民主主義を実現するためのコストとして、あたしはまぁ許容しているわけでございますが、政治家の側はこれらの資金を政治活動の上でどう活用したか、というような収支報告を、果たして公明正大な形で行って来ているだろうか、という点が、あたしもまぁ疑問なわけでございまして、その辺をつらつらとやってみましょうか、てなわけで一席お付き合いを願っておきますが。
てなわけで、国、地方自治体、あるいは公益団体や各種法人、そして私企業に至るまで、年度を区切りとした形での決算報告を行うわけでございますが、現在の日本の法制度において、政治家にも政治資金規正法に基づいた年間の収支報告が義務づけられてはおります。現行法がザルであることはいまさらあたしなどが説明せずともご案内のとおりとは思いますが、人間、自分の権限で動かせる金だと思うと、その出所について深く考えなくなる傾向があるようでございまして、落語でいえば、落とし物の金を拾うことから噺が始まる「芝浜」なんてぇ根多もございますわねぇ。
国や地方自治体を企業とすれば、首長や議員といった政治家は個人事業主、といった位置づけになぞらえることができるかと存じます。もちろんこれは些かどころではなく乱暴な喩えですが、法人格を持つ企業には厳密な収支決算報告の公表が求められる(毎年、新聞に小さく広告のような囲みで企業の決算報告の概要が掲載されているのを見たことがある方も多かろうと思います)のに対して、個人事業主は税務署にさえきちんと報告すればわざわざ新聞に貸借対照表を載せたりしなくてもいいわけでして、求められる透明度が断然違っています。
しかし、個人事業主と政治家が決定的に違うのは、その資金の出所です。個人事業主は自分の商売によって自分で稼いだお金についての収支を税務処理のために報告しているわけですが、政治家が扱っているお金の出所は税金そのものです。中には私企業を経営したり、あるいは何らかの委嘱を受けて活動することなどで、そうした私費も政治活動に使い得る環境にある場合もあるかもしれませんが、そこは枝葉ですから措きましょう。
ともかく、政治家の資金の出所は税金と政治献金なわけですから、それらは自分が額に汗して稼ぎ出したお金ではあり得ないわけです。
そこで、政治資金の収支報告には公明正大なガラス張りの明解さが求められるわけでして、株式会社の決算報告が株主総会において、出資者である株主に対して行われるのと同じ理屈で、税金の出資者である市民・国民に対して、公明正大な形の決算報告を行うのは政治家の当然の勤めであると申せましょう。
なんてことをあたしがいまさら書くことでもないわけですが、政治資金の使われ方を精査し、政治家のコストパフォーマンスを検証することから、政治への関心を市井に膾炙するきっかけにできないものかなぁ、なんていうことをつらつらと考えているのでした。時間が大幅に押してしまいましたので、この辺でお後がよろしいようで。